居合は心の拠りどころ

令和6(2024)年12月12日


所沢支部 山岸 暢子 六段
無雙直傳英信流

令和4年に六段に昇段したあと、かねてより患っていた変形性股関節症が悪化し主治医から手術を勧められたため、令和5年2月に右股関節、11月に左股関節の人工股関節置換術を受けました。それまで何とか手術を回避しようとあれこれと努力しましたが、日常生活に支障がではじめ、痛みに耐えながらの稽古に限界を感じていたこともあり、手術に踏み切りました。

入院中は理学療法士によるリハビリと病棟の廊下(約60m)での歩行の自主練習、退院後はフィットネスジムに通いトレーニングに励みました。主治医の許可を得て稽古に復帰できたのは今年の4月です。人工股関節の構造上、してはならない姿勢や動作はありますが、目標を東京大会参加に定めてできることから少しずつ稽古を始めました。

先日伊勢神宮にて行われた皇大神宮奉納演武会に参加し、御垣内参拝、御神楽奉納、能舞台での奉納演武と貴重な経験をさせていただきました。今年はわたしにとっても節目の年であり、皇大神宮奉納演武会で連盟行事に復帰できたことはうれしい巡りあわせでした。わたしにとって居合は心の拠りどころです。上を目指すことは勿論ですが、できるだけ長く居合を続けたい、その一念です。この先怪我や身体の不調などに悩まされることも多くなると思いますが、10年後の皇大神宮奉納演武会にも参加できるよう、心身ともに鍛え、業を磨き、レベルアップを目指して精進します。60歳居合女子?の新たな決意です。