できないことが、できるようになる

令和7(2025)年1月16日


入間支部 桑原 洋一路 段外
無雙直傳英信流

十数年前、当時勤務していたオフィスの近くの居合団体に入門したことがありますが、会社の都合により、3か月で退会しました。その後は、居合を再開することなく過ごしていましたが、昨年の夏ごろに仕事が一段落したので、日ごろから感じていた運動不足を解消するため、再び居合を始めることを決意しました。

地元で居合ができる場所を探していたところ、入間居合俱楽部の存在を知り、入門させていただきました。ちなみに以前使用していた居合刀や道着が利用できたのは幸いでした。

居合を始めて感じたのは、自分の身体を思い通りに動かすことの難しさです。初心者のわたしの稽古では、先生の「形」の動きを見ながら模倣するのですが、これがなかなかうまくいきません。先生の「形(カタ)」には対峙する敵の存在さえも感じられますが、自分が同じ「形」を真似ると、敵どころか自分自身の動きさえ思い描いた通りにいきません。

しかし、できないことができるようになる過程は非常に充実しています。先生はわたしの理解度や熟練度にあわせて指導内容を深めてくださり、少しずつ成長を実感しています。同じ「形」でも、習得が進むと次の段階を教えていただけます。足の指を立てるタイミングや体重移動の変化、左手の軌道など、一つ一つの動きを充実させ、滞りなく所作することで「後の先」が実現するのだと感じました。

先生や、気軽に話せる先輩方、門下生の皆さんとの時間は非常に貴重で、楽しい機会となっています。この得難い機会を大切にし、今後も自己研磨に励みたいと思います。