木曽支部

美しく力強い居合を目指す

支部長
三尾 章
長野県の南西部、木曽御嶽山と木曽駒ヶ岳に囲まれた木曽町に、木曽支部が利用している武道場があります。木曽町中学校の体育館に併設されていて、標高が767mもあり、冬の寒さは厳しいものがありますが、暖房施設が完備されているので、大変ありがたく思います。

ここで少しお国自慢をさせていただきます。木曽地域には、平安末期に都から平氏を討伐した源(木曽)義仲や、明治期に一世を風靡した文豪・島崎藤村といった歴史的偉人がいます。 また、江戸末期には、江戸へ出て浅利義信のもとで中西派一刀流を修行した剣術家・遠藤五平太が、帰郷後におよそ八百人もの弟子を育てたと伝えられています。彼は諸国遍歴の途中に立ち寄った剣豪・山岡鉄舟と木刀で立ち合い、刀を交えることなく鉄舟が「参りました」と一礼したという逸話も残っています。さらに、千葉周作とも交流があったともいわれています。

木曽支部では、少年剣道を学ぶ小学生や中学生が居合に興味を持ち、稽古に加わってくれるようになりました。稽古方針は「美しく力強い居合」。部員の年齢や技量、体力に応じた指導を心がけるとともに、稽古を通じた対話や交流も大切にしています 30数年前になりますが、東京在住時に無雙直傅英信流に出会い、習いはじめたときに幸運にも平井阿字齋先生、清宮阿陽齋先生から大きな薫陶を受けることができたのは、大変貴重な体験でした。両先生亡きあと、平井先生の著書『居合道秘傳』を稽古の道標として、不明な点があればその都度確認を重ねています。理にかなった正しい運剣方法を学ぶうえで、欠かせない教本です。

余談ですが、木曽町開田高原は標高1200mに位置し、目の前には独立峰の木曽御嶽山を仰ぎ見ることができます。都会からの避暑客も多く、とうもろこしをはじめとする高原野菜の産地としても有名です。また、各種スポーツの夏合宿にも利用されています。四季折々に美しい自然と澄んだ空気に包まれながら、心身を整える稽古を味わいに、ぜひ木曽へお越しください。

支部情報

支部名 木曽支部
流派 無雙直傅英信流
支部長 三尾 章
稽古 火曜日・土曜日 18:00~21:00
  • 木曽町立 木曽町中学校 武道場
    長野県木曽郡木曽町新開4110