ごあいさつ

日本の文化伝統を次世代へと継承

理事長 田口 阿勢齋 範士十段

日頃より大日本居合道連盟にご支援ご協力を賜り誠にありがとうございます。
当連盟は、昭和50(1975)年5月に無雙直傳英信流第二十一代宗家平井一蓮阿字齋名人によって設立された武道専門団体です。設立の目的は、「武士道の伝統に由来し古来より体系化され伝承されている武技である居合道を通じて身体の練磨を図り、礼譲慈愛に富む質実剛健な精神を養い国家社会に貢献できる人間を育成すると共に、会員相互の親睦を図ること」であります。
 令和7(2025)年に満50年を迎え、令和6(2024)年10月には、皇大神宮参集殿において、創立50周年記念奉納演武会を催しました。
1月には「日枝神社正式参拝並びに稽古始之儀」、5月には「石清水八幡宮正式参拝並びに本部称号段位審査講習会および全国大会」、秋には「東京大会」との三大行事に加え、各地区審査講習会を催すなど、年間を通じて活発な活動や交流を展開しております。
当連盟のスローガンは、「尊重し尊重される剣士たちが集う大日本居合道連盟」であります。古より受け継がれてきた古武道を体現しながら、一人ひとりが社会的責任をまっとうし、日本の文化伝統を次世代へと継承していくことを念願しております。

時代の変化に流されぬものを求めて

名誉会員 福嶋 阿正齋 範士十段

大日本居合道連盟は、創立以来50余年、皆様の温かいご支援のもと、武士道の伝統に由来する体系化された居合道の精神と武技を継承し発展し続けてまいりました。現在、会員数400名を超える規模となり、各地区で稽古に励む仲間が日々精進を重ねております。
日本固有の歴史と伝統をもつ「居合」も、はじめは「術」として行われていましたが、やがてそれが「道」へと変化してまいりました。また、最初は武士だけのものでしたが、やがて平民の間でも行われるようになり、現代では女性の方も修業に励むようになりました。このように、時代の変化とともに、わたしたちの「居合」もさまざまに変化してきたわけですが、それは「居合」が「居合道」として成長・発展していくために必要な変化であったと思います。
これからも世の中はまだまだ変化を続けてまいります。昔、刀を用いて戦った武士たちの時代は、やがて鉄砲の時代に変わり、現代では国と国との戦争も宇宙兵器を用いる時代へと変化しています。その時代の変化は誰にも止められませんが、われわれ居合道を志す者は、何百年にもわたって武士の間に伝えられてきた「剣の道」に精進し、次の時代へ引き継ぐことが任務です。変わり続ける時代のなかで、変わらぬ「人としての在り方」を追い求め、沈着冷静に行動してまいりたいものです。
これからもともに研鑽を重ね、居合道を未来へとつないでまいりましょう。